心優しく知的でユーモいっぱいのlafontマネージング・ディレクター、ラファエルさんがコーディネートしてくれた、ミュゼのふたりのためのlafontツアー。パリ市内のlafontブティック(眼鏡店)&ワークショップ、ファミリー御用達のお店のあとはヘッドオフィスまで。とても贅沢でディープな1日を過ごさせていただきました。

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私たちのフランス出張はパリにはじまりパリに終わる。各地に様々な魅力があると実感するようになってからもやっぱりまずはパリ。

そんなパリに100年のルーツを持つlafontについて、ラファエルさんがブティック(眼鏡店)から縁のお店、そしてその心臓部までlafontの世界を隅々案内してくださいました。ごくごくダイジェストになりますがその時の様々を少しでもお分けできたらと思い綴ります。

スタートはマドレーヌ寺院近くのブティックから。

ヴィニョン通りのブティッより、店員さんのアングルで。写真左上のすりガラスの窓はかなり古いものなのだとか。さすがの趣がありました。

こちらへは2度目の訪問でしたが今回はラファエルさんのご案内とあって発見がいっぱいです! 歴史あるlafont最初のブティックだけあり薫り高い空間は、優雅さはそのままに進化し続けていました。

ブティック奥にある階段

この階段を降りるとラボがあります。(ブティック正面入り口からも、下を向くと少しだけ様子がわかります)

ここでは、私たちと(多分、日本の多くの眼鏡店と)同じ作業でも道具が違うことを発見。湿度など気候条件の関係もあるのでは等々そんなお話もしながら清潔感のある機能的で洗練された空間が素敵でした。

ワークショップを紹介してくださった職人の方。技も笑顔も本当に素敵で眩しかったです。

徐々に広げるなどして今でも変化し続けているというこちらのブティックに、少し前に新設されたオーダーメイド用のワークショップも紹介いただきました。度数や骨格など、お好みはもちろん最適なものを作るには様々な要素に注目したい眼鏡だけあって、オーダーメイドの醍醐味も大きいはず。お話をうかがっているだけでも楽しみでなりません。2年後、パリの国際見本市SILMOで思いがけずに再会できたのですが覚えていてくださりとても嬉しかったです!

ちなみに、お写真にはないのですが、地下にはハンドメイドの木製の小さなガラ(磨き用の装置)もありました。温度や湿度が管理しやすい空間で、好適なのだとか。

離れがたい想いで移動して、パリ市内の別のブティックへ。

パッシー通りにあるブティックの2階より。窓まで可愛い!

lafontらしいスタイリッシュな色調のなかには可愛いイラストがいっぱい。ここはお子様向け眼鏡のフロアです。

lafontのお子様用の眼鏡はとっても可愛くておしゃれだということは知っていたのですが、その根底にある哲学は大変に深いものでした。例えば、かなりゆったりと広くとってある床ではその子がどんな風に体を動かすのかを把握できるようになど、随所に感動するばかり。(グラスミュゼはお子様向け眼鏡のお取り扱いはしていませんが、様々な学びがありました)

lafont縁のお店にて。

ランチタイムもlafontツアーらしく、縁のお店にご案内いただきました。

観光客の様子はなくさすがメニューはフランス語だけ(笑)。一皿一皿、色合いも盛り付けも、もちろんお味もとっても素敵です!いつもはなかなか聞けないラファエルさんのプライベートトークをうかがいながら、楽しくておいしいひとときはあっという間に過ぎていきました。

そして最後はパリ郊外にあるヘッドオフィス、いわゆる心臓部へ。

扉を開くともうlafontの薫りが満ち溢れていて、スタッフの方々もまるでlafontの作品から飛び出してきたかのよう!お忙しいシーズン中にも関わらず笑顔でむかえてくださいました。

デザインスタジオからの一枚。

ヘッドオフィス内にあるデザインスタジオまで拝見できるなんて!こんな景色を眺めながらデザインされているのだなと想像するうちに気づけば無言になっていました。視線をずらすと装丁だけでも素晴らしい書籍など様々目に飛び込んできて・・・

4代目デザイナーのトーマさんの仕事部屋(という硬い表現はされていませんでしたが、デザインスタジオとはまた別の大きな空間)も見せていただくと、とにかくあっと目を引くものが天井近くまで?所狭しといっぱいに。それはこの空間自体が作品だと感じさせる、まるでワクワクの泉のようなところでした。

この日の結びに、ラファエルさんとの一枚。

毎シーズンの展示会では明るく熱くlafontの魅力を語ってくださるラファエルさんに会えるのが楽しみですが、この時はさらにずっと深く、そしてラファエルさんご自身の魅力にも触れることができました。本当に素晴らしい機会をいただき胸がいっぱい過ぎて・・・気恥ずかしいくらいに表情がすべてを物語っています。

先代のムッシュlafontがまだ若かったグラスミュゼにお越しくださった折、ミュゼのシンボルである裏庭を褒めてくださったことを店主から聞いたのはずっと後のことでしたが、時を経て今度は私たちがホームにうかがうことができたことは本当に嬉しくて、殊、店主は感慨深さもひとしおだったはずです。

ここまで記憶を辿りつつの旅日記となりましたが、お読みくださった皆様にはパリ薫るlafontの世界を少しでもお楽しみいただけましたら幸せです。

心からの感謝を込めて。

yuki